この記事を読むとわかること
目次
投資は資産を守る手段のひとつ
多くの人が『投資』と聞くと、特別な行動や手段だと考えがちですが、実際はそうではありません。投資は、さまざまな資産運用方法の中の一つに過ぎません。
たとえば、多くの方が銀行預金を利用されていますが、これも資産運用の一つの方法と捉えることができます。同様に、投資も単なる一つの手段と考えていただくことが重要です。
投資の結果は常に不確実
銀行預金と投資の間には、結果の不確実性という大きな違いがあります。
銀行預金は、発生する利息が少ないものの、残高が安定していることが特徴です。一方で、投資の結果は多かれ少なかれ不確実で、確実に利益が得られる、または元本が保証される投資は存在しません。
中には、「元本保証型」という投資商品もありますが、これらが本質的に銀行預金以上のリターンを生むことはほとんどありません。元本保証を実現するためには、多くの制約や隠れたコストが存在します。実際、本当の意味で元本が保証される商品は、銀行預金と大きな違いはなく、使い勝手にも注意が必要です。
絶対に損をしたくないと考える方には、不確実な結果の投資は魅力的に思えないかもしれません。
しかし、重要な点として、元本が保証されている銀行預金も「日本円という尺度で見たときの残高が減らない」だけで、その実質的な価値が変わらないわけではありません。たとえ残高が同じでも、物価の上昇によって購入できる商品やサービスの量が減少することがあります。また、国内物価が安定していても、円の価値が下がると、海外の商品やサービスに対する購買力が低下します。
物やサービスとの交換力(購買力)、つまりより本質的な尺度で評価すれば、絶対に損をしない手段はないとさえ言えます。銀行預金は日本円での結果が確実な資産運用方法ですが、本質的には「日本円への投資」と考えても差し支えありません。
誰もが投資しなければならない訳ではないが
投資は多くの資産運用手段の中の一つですが、必ず利用しなければならないという決まりはありません。
一般的に、日本に住んでいる場合、生活費のほとんどは日本円で支払われますし、収入も日本円で得られます。そのため、日本円以外の不確実な資産運用をしなくても、生活を続けることは十分に可能です。しかし、見えないところで海外のインフレの影響を受けたり、為替変動の影響を受けることがあります。
燃料費はその最たる例ですし、国内自給できるような農作物であっても肥料を輸入している関係で、為替の影響を間接的に受けます。いくら日本で暮らしているとはいえ、為替変動の影響を受けずに生活することはほとんど不可能です。
自分の資産や購買力を守り、さらには増やすことを考えると、不確実性が伴うものの価値の上昇が期待される投資には大きな魅力があります。
- (日本円の)銀行預金の特徴を正しく表しているのは、次のうちどれでしょうか?
- 正解は・・・
C実質的には円に投資しているのと同じ意味を持つ。
銀行預金の価値が変化しないように見えているのは、その価値を円で評価しているからに過ぎません。また、銀行が破綻するようなことが起こると、預けていた残高が全額守られるわけではありません(一般的には上限1,000万円まで守られます)。